岡山大学学生支援センターがカルト脱会者の手記を配布

岡山大学学生支援センターが「学生相談室だより」にカルト系集団からの脱会者の手記を掲載し、学生に配布しています。

【学生相談室だより 2011年4月臨時特集号】カルト系集団への入会と脱会
大学に入学したのは１９歳の春、１年間の予備校生活を経ての入学でした。第一志望校に落ち、自分の１年間は意味があったのか、虚無感に満ちていました。
その頃でした。入学間もない私にキャンパス内で声をかけてきた人がいました。
「ちょっとすみません。今、公開講座やっているんだけど…」
１枚のチラシを見せてきました。特に警戒もしていなかった私は立ち止まり、そのチラシを読みました。

この手記の著者は「大学のOB」を名乗る信者に勧誘され、「生きている今絶対の幸福になれる、それが人生の目的だ」という話に引き込まれ、５月のゴールデンウィークの「ゼミ合宿」に参加します。そこで「○○○宗、○○聖人のみ教え」に人生の目的が説かれ、それを正しく伝える人は「T先生」しかいないと言われ、その人物が主催する新宗教団体「S会」に入信します。

著者は「S会で教えられることが真実で、世間の事が間違っている」と外の情報から遠ざかるように仕向けられ、２年生になるとマニュアルを覚え勧誘される立場から勧誘する立場となり、ますますS会の活動に没頭するようになります…この続きは是非リンク先の手記（PDF）を読んでください。

手記の内容から「S会」とは、各地の大学で統一教会や摂理と共に正体を隠した勧誘を続けている「浄土真宗親鸞会」であり、「T先生」とはその代表である高森顕徹氏の事だと思われます。岡山大学はカルト対策に積極的な大学であり、これまでにも様々な団体からの脱会者の手記を「学生支援室だより」に掲載し配布してきました。

「カルトに気をつけろ」という前に「カルトとはこんなところである」という事実を、被害者本人の手記を通じて詳しく明らかにする岡山大学の取り組みは、カルト対策に携わる宗教者や教育関係者の間からも高い評価を受けています。きめ細かい相談業務と積極的な情報発信は、岡山大学の「なんとしても学生をカルトの勧誘から守る」という強い意志を感じます。

4月はカルトの新入生勧誘が活発になる時期です。多くの大学がカルト対策に積極的に動いていますが、当然「カルト系集団」もありとあらゆる工夫をして信者獲得に必死になっています。「やや日刊カルト新聞」も大学のカルト対策に微力ながら協力したいと思っています。なにか情報があれば編集部宛にお寄せください。ご協力をお願いします。