新型コロナ、幸福の科学の信者・職員数十人が感染

大川総裁は法力でウイルスを死滅させられるはずなのに……

　幸福の科学の信者・職員数十名が新型コロナウイルスに感染したと、1月7日、教祖である大川隆法総裁自身が信者に向けの法話で発表した。翌8日には、大川総裁の長男で教団を離脱し教団批判を繰り返しているYouTuberの宏洋氏がTwitterで信者に対する「コロナ差別」を扇動する投稿をしており、専門家は「アホ宏洋」として注意を呼びかけている。

　幸福の科学の東京正心館（東京・高輪）で1月10日に開催予定だった大川総裁による法話〈「秘密の法」講義〉は、新型コロナウイルスの感染拡大について政府が緊急事態宣言を発する見通しとなったことから、宣言発出当日の1月7日に前倒し。この法話の終盤で、大川総裁は「一切のコロナウイルスよ。幸福の科学の真理を伝えんとする人たちに、いかなる危害も与えることを私は許さない」などとする、新型コロナに対する新たな「撃退祈願」を実施した。

　ところがその直後、大川総裁自身がこう語った。

「昨日調べたところでは、職員で年末にかかったのが3、4名いたようですけども、みんな5日以内に治って、現場復帰。職場に戻っております」

　職員以外の会員（信者）については、「まあ、クラス１つ分くらいの人数しかかかっていません」と語り、「今のところ死んだ人は１人もいません」とした。小中学校や高校などのクラス（通常20～40名程度）を指していると考えられることから、職員以外の一般信者には数十人の感染者が発生していると見られる。

　これが同じ施設や行事でのクラスターなのか、散発的な教団内感染の総数なのか、あるいは教団外で感染した人々なのかについては、大川総裁は明らかにしなかった。

　幸福の科学では、大川総裁の法力によってウイルスを死滅させることができ、また信者たちの「信仰免疫」「信仰ワクチン」によって感染しても問題ないとされている。そのため教団内部での行事等ではマスク等を着用しない信者が多く、教団もこれまで大規模な行事を開催してきた。系列の幸福の科学学園（栃木県、滋賀県）は2校とも、政府による1度目の緊急事態宣言時にも県からの休校要請に従わず授業等を続けた。

　この日の法話でも、マスクを着用していない信者が多く集まっていた。大川総裁自身が冒頭から新型コロナウイルスの話題に触れ、「今日ほとんどマスクしてない。みなさん大丈夫ですか」と語り、会場から笑いが起こった。大川総裁は「三密」回避の考え方について「科学的な根拠に基づいては作ってませんね」「三密と言ってるのは日本だけです」として、信者たちの前で改めて否定して見せた。

　法力や信仰ワクチンでコロナ感染を防げるかのように説いてきたのに信者や職員までもが感染したことについては、「まあ、会員だって信仰のレベルはいろいろありますしね、悪いことしてる人もいますからね。全部が全部は守りきれませんので、その時はその時だと思って下さい」（大川総裁）とした。

　この法話については当日の1月7日のうちにインターネット上で信者等が報告していた。1月8日には、大川総裁の長男で教団離脱後にYouTuberとなって教団批判を繰り返している宏洋氏が、こうツイートした。

【注意喚起】
幸福の科学は、教祖の大川隆法が「マスクは不要、コロナウイルスはエル・カンターレの法力で殺せます」と騙る危険な団体です。
施設ではノーマスク三密が常態化、信者の平均年齢は65歳前後。
信者と接触した場合、感染リスクが非常に高いです。
近寄らないようにしましょう。

— 宏洋二代目@1/13(水)〜1/18(月)の夜になんかします！ (@hiroshi2ndsub) January 7, 2021

　新型コロナウイルスの問題に詳しくないジャーナリストの藤倉善郎氏は、こう解説する。

「幸福の科学の職員はともかく信者は、仕事、学校、家庭など一般の社会生活を送りながら信仰している。数十人全てが教団内での感染とは断定できない。しかし、いずれにせよ放置するのは危険だ。信者の中には、子供にマスクを着けさせずに教団行事に連れて行く親もいる。濃厚接触者となり検査結果が出ていない子供に教団施設で祈願を受けさせるために敢えて連れて行こうとした親もいると聞く。子供の意志に反して、あるいは事実上抵抗できない状態で、子供を教団の関連の方針に巻き込んでいく“コロナ禍における新たな2世問題”も発生している。事が感染症であるだけに、その害悪が教団外にも波及しかねない」

　一方で、感染の疑いがなく濃厚接触者でもない信者も含めて全ての信者を感染源であるかのように扱い排除するのは、差別以外の何物でもない。教団を批判したとしても、個々の信者への差別に走るべきではない。

「幸福の科学は有害なカルト集団だが、カルト信者にだって人権はある。教団を批判するあまり差別扇動に走る宏洋もまた社会の害悪だ。アホ宏洋」（藤倉氏）

　また藤倉氏は、数十人という感染者数について、鵜呑みにはできないと語る。

「幸福の科学の実働信者数は約3万人だと、大川総裁の元妻・きょう子氏がかつて週刊新潮のインタビューで暴露している。しかし教団の公称信者数は国内1100万人。367倍もサバを読んでいる。ということは、大川総裁が言う信者・職員の感染数もサバを読んでいるかもしれない。仮に大川総裁が言う“クラス1つ分”を40人とすると、367分の1は約0.1人だ。逆に、実際には数十人どころではなくもっと多い可能性も考えられる。教祖自身の言葉も含めて教団発表の信用性が極めて低いカルト集団に対しては特に、最悪のケースを想定して監視すべきだろう」

幸福の科学グループ広報局のコメント：

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