2009年11月19日木曜日

釜山・室内射撃場火災、ツアー手配会社は統一協会

 11月14日に日本人旅行客7人が死亡した韓国・釜山の室内射撃場火災で、このツアーを手配していた旅行会社は、統一協会(統一教会)直系の関連会社だったそうです。

【しんぶん赤旗 2009年11月17日】釜山ツアー 統一協会の会社関与 ハッピーワールドなど 旅行細目を手配
 韓国・釜山市で14日に起きた室内射撃場火災で死亡した日本人客の旅行日程や案内に統一協会直系のハッピーワールド(日本)と世一観光(韓国)が直接かかわっていたことが16日、わかりました。


 死亡した日本人7人のうち6人は長崎県島原市の旅行会社、島鉄観光のツアー客。客からの注文で旅行社が企画する受注型企画旅行でした。

 島鉄観光の広報担当者によると、一行9人の要望で1泊2日の見物場所を指定し、ハッピーワールド旅行事業部九州営業所(福岡市)に依頼。ハッピーワールドと同グループの世一観光がホテルなど細目の手配をしました。

 室内射撃場は、島鉄観光が作成した見物場所に含まれていませんでしたが、「現地ガイドの紹介でオプションツアーとして組み込まれたものと推察される」と同広報担当者は説明。ハッピーワールドは韓国に強い会社として以前から取引関係があったといいます。

 ハッピーワールド(本社・東京都渋谷区、資本金22億6000万円)は、霊感商法など統一協会の事業部門のセンターとして1971年に設立。筆頭株主でもある古田元男元社長は現在も、統一協会の経済部門の中枢にいるとされています。

 同社は霊感商法で扱う仏像やニンジン液などの卸元として活動していますが、2006年3月決算では売り上げの83%が旅行業になっています。

 平成12年(2000年)4月24日の東京地裁判決(統一協会信者から脅迫されて多宝塔、高麗人参濃縮液、釈迦塔を購入させられたとする被害者が原告となって統一協会を訴えた民事裁判)では、ハッピーワールドと統一協会の関係をこう認定しています。

【全国霊感商法対策弁護士連絡会】東京地裁判決 2000年04月24日

第三 当裁判所の判断
(略)
● 販売組織と被告統一協会との人的交流等
 ア 昭和46年、被告統一協会の第2事業部を母体として、人参液等の物品販売等を業とする幸世商事株式会社(後に株式会社ハッピーワールドに社名変更)が設立され、人参液等の販売活動が行われており、かつ、右ハッピーワールドもこれが被告統一協会の第2事業部であると認識されていた時期がある。(甲A48、甲A70の9)
 次に、被告統一協会の指示により、右ハッピーワールド等物品販売会社への信者の人事異動ないし人事交流が行われている。(甲A2、甲A70の11)
 また、本件物品販売当時、右幸世商事株式会社の代表取締役及び信者組織である連絡協議会の責任者に就任していたEは、昭和53年ころ、被告統一協会の幹部として扱われており、Eは、物品販売活動に関し、文鮮明の指示を直接受けていた。(甲A4、甲A21)
 さらに、右幸世商事株式会社の外、被告統一協会の信者によって設立された企業内部で問題が起きた場合は、文鮮明に指示を仰ぐことがあった。(甲A70の11)
 そして、被告統一協会の幹部と右企業の幹部とが、被告統一協会の伝道活動について協議を行っていたことがある。(甲A70の11、12)

 赤旗の報道によれば、ハッピーワールドの2006年3月決算では売り上げの83%が旅行業になっていたとのことですが、もともとは統一協会の第2事業部を母体として設立された会社であり、統一協会による経済活動のためのフロント組織です。

 今回の火災の原因や責任の所在について、旅行会社が統一協会系だからどうこうということもないと思います。ですが、旅行会社としての安全性等々と無関係に、もともと関わりを持たない方が無難な会社であったことは間違いないでしょう。

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